掲示板によく投稿されてた「グラトリに向いたスノーボードの板」を中々回答できなかった理由

このブログがまだスノーボードサイトとして賑わっていた頃のお話です。

キッカーやジブアイテムを使わず、ゲレンデのコース上でトリックを行ういわゆるグラトリ(グランドトリック)ですが、リバイバルとしてグラトリが流行り始めた2003年頃から毎年サイトの掲示板で目にする質問が、「グラトリ用の板ってどれですか?」「グラトリに向いた板ってどんな板でしょうか?」といった、板に関する質問の投稿でした。

グラトリブームがピークだった2005-2006シーズン前後には、この手の質問がかなり頻繁に投稿されていたと記憶しています。

当時の掲示板。グラトリのトリックの質問に次いで板の質問が多かったです。

しかしこういった質問は当時とても回答に困りました。極論として「どんな板でもグラトリはできます」といった少し意地悪な回答をしていた事もあります。

当時のスノーボードのサイト・ブログでよく薦められているグラトリ用の板の特性として「柔らかい板」というのがありました。板のフレックスが柔らかい板はエッジコントロールがしやすく、しならせる事が簡単なためグラトリのトリックに向いているというのが主な理由です。

たしかにフレックスが柔らかい板だとボードさばきが自由自在で、プレスもありえないくらいに浮かせることが出来るため非常に面白いです。

ところが柔らかい板というのは、板の反発が弱いということでもあり、スピン系のトリックではオーリーやノーリーの際に高さが出にくいといったデメリットが生じます。

ノーズやテールを上手く弾くことができるのであれば、スピントリックに向いた板というのはある程度反発のある「硬めの板」という事になり、一概に「グラトリに向いた板」というのを決めつけることができず回答に困ってたわけです。

グラトリといってもスタイルは様々。プレスを組み合わせたバタートリックが好きな人もいれば、バチバチな高回転を決めるのが好きな人もいます。柔らかすぎても不満が出てくるし、硬めだと当然板捌きが難しかったりします。

今振り返ると、適当に他のサイトみたいに柔らかめの板を回答していればよかったのかもしれませんが、今より価格が安いとはいえ、当時もスノーボードギアをそろえるとなるとかなりの金額になりました。適当な回答をして極端な特性の板を購入してしまい、結果滑りを楽しめないなんて事にはなってほしくなかったので、当時は体型や滑りの割合(フリーラン5 グラトリ3 キッカー2 など)、グラトリでどういったトリックを主にやりたいか聞いたりしてから回答していました。

そんな中で私自身としては、本来グラトリとはフリーランの延長線上として、地形を活用した遊びなどと組み合わせて楽しむものと考えていたため、グラトリブームの際によく見られた山頂からリフト乗り場までひたすらクルクルとグラトリしたり、グラトリのトリックをはさむとフリーランの流れが止まるといったグラトリがすべての中心となってしまっている滑り方は「ちょっと違うかな」とも思っていました。

そのため、「グラトリを始めたいのでグラトリ用の板を教えてくだい」といった「グラトリ用の板」というものがないとグラトリはできないんじゃないか?といった趣旨の質問が投稿された時は、諭す意味で最初に書いていた「どんな板でもグラトリはできます」といった半ばトンチ問答のような回答をしていたわけです。

実際にグラトリはどんな板でも可能です。大昔のビデオでアルペンタイプのボードで簡単なグラトリしているのを観たことがありますし、吹雪で旭岳のゴンドラが休止になった時はパウダーランで乗ろうと思っていたBURTONのFishで麓のゲレンデでグラトリして遊んでた事もあります。

Fishでのテールプレスは楽しい

ただ、グラトリ=低速でトリッキーな板さばきの連続技という考えであれば、やはり柔らかい板が圧倒的にやりやすく面白いです。ただしこういう板での荒れたバーンやアイスバーンでの滑走は最悪で非常に足が疲れます。キッカーでも着地の衝撃が捌ききれず危ないです。

特性が偏るとデメリットも大きくなります。

スノーボードブランドではこのような問題をなんとか解消しようと、グラトリブームの加熱に伴いただフレックスが柔らかいだけではなく板の特性の改良が行われるようになりました。

たとえば、中央は柔らかくノーズ・テールを硬めにして反発力をなるべく落とさないようにした物(011 artistic doubleなど)、または通常板の中央にあるキャンバー構造を、ノーズ・テールの2箇所に作り反発をもたせた物(BURTON custom Flying V Rockerなどいわゆるダブルキャンバー)が2000年代後半には次々とリリースされました。また逆にリブテックのSKATE BANANAみたいにソールをロッカー形状にしてジブ・グラトリに全振りした板も人気がありました。

このようなユニークな特性を持った板をチョイスするのも、グラトリを楽しむための一つの方法だと思いますが、忘れてはならないのはスノーボードの基本はフリーラン。グラトリ好きな人も、キッカー好きな人も、最終的に落ち着くのは「フリーランで調子のいい普通の板」だったりします。

それにしても掲示板の過去ログを見てみると、質問投稿にかなり親身に回答していたのが見受けられ、我ながらしっかり管理人やっていたんだなと感心しました(笑

ただ、この親身さが後に質問投稿の殺到を招き、重複した質問や回答の催促なんかで気を病むことになり、掲示板の投稿制限(ユーザー登録制導入)→サイトの過疎化への一因になったのは複雑でもあります。

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